ハリネズミとはどんな動物だと思いますか。
針に覆われた特徴的な姿はよく知られていますが、実は小さなしっぽがあることをご存じでしょうか。
かわいい表情や仕草に惹かれる一方で、性格は意外に繊細で、なつくまでにはコツが必要です。
寿命や飼い方、種類や値段なども気になる点でしょう。
また、むかつく瞬間や鳴き声、食べ物なども知っておくと、ハリネズミとの生活がぐっと身近に感じられます。
この記事では、他ではあまり語られないハリネズミのしっぽや行動にスポットを当て、その魅力と生態を深掘りしていきます。
- ハリネズミのかわいい魅力をもっと深く知りたい方
- しっぽや針など細かな特徴に興味を持っている方
- なつくコツや性格を理解して飼いたいと考えている方
- 種類や値段など購入前の判断材料を探している方
- 鳴き声や食べ物など、日常の行動を観察したい方
ハリネズミのしっぽはかわいい?性格や針との関係からなつく魅力を探る

ハリネズミとは?
ハリネズミとは、食虫目(しょくちゅうもく)ハリネズミ科に属する小型哺乳類で、ヨーロッパ、アジア、アフリカを中心に広く分布しています。名前に「ネズミ」と付きますが、ネズミの仲間ではなく、モグラやトガリネズミに近い動物です。体長は約15〜30cm、体重は300〜600gほどで、丸みを帯びた体と背中の針が特徴的です。
2025年現在、日本でペットとして飼育できる主な種類は「アフリカチビハリネズミ(ヨツユビハリネズミ)」です。これは国際的にも一般的に流通している種で、飼育下での繁殖も盛んに行われています。一方で、ヨーロッパハリネズミやインドハリネズミなど他の種は野生動物として保護対象となっており、日本では飼育が認められていません。
ハリネズミは夜行性で、昼間は寝て夜に活発になります。このため、人間の生活リズムと合わせるのは難しく、飼育する際には「夜に一緒に過ごす」意識が必要です。
また、ハリネズミは単独生活を好む動物で、野生下では基本的に一匹で縄張りを持って暮らします。複数飼育は争いの原因になりやすいため、日本でも単独飼育が推奨されています。
ハリネズミの特徴は?
ハリネズミの最大の特徴は背中に生える針です。針は変化した体毛であり、1匹の体に約5000〜7000本も存在します。驚いたときに体を丸めて針を外側に向ける「ボール状の防御姿勢」は、外敵から身を守るための代表的な行動です。犬や猫などの捕食者に襲われても、この針があることで致命傷を避けられる可能性が高まります。
針以外にも見逃せない特徴がいくつかあります。まず、柔らかい毛で覆われたお腹や顔、そして小さなしっぽです。しっぽは2〜3cmと短く目立ちませんが、体のバランスを取ったり、感情表現に関わったりする可能性が観察されています。飼育者の前でしっぽがピクピク動く様子は、リラックスしている合図と考えられることもあります。
さらに、ハリネズミは嗅覚と聴覚が非常に発達している一方、視力は弱いという特徴を持っています。動きの少ない物体は視認しにくく、匂いや音に強く依存して行動しています。この特性は、飼育下でも食べ物探しや人との関わりに表れます。
また、「アンティング」と呼ばれる独特の行動も特徴的です。新しい匂いを嗅ぐと唾液で泡を作り、それを針や体に塗りつけます。この行動は完全に解明されてはいませんが、自己防御や匂いによる情報伝達の一種と考えられています。
寿命や健康にも直結する特徴として、温度への敏感さも挙げられます。20〜28度の範囲が適温で、それを外れると冬眠や夏眠状態に入りやすく、体調を大きく崩すことがあります。
ハリネズミの性格は?
ハリネズミの性格は、一言で言えば「臆病で繊細」です。新しい環境や知らない人に対して強い警戒心を持ち、針を立てて丸まる行動をとることが多いです。そのため「なつかない」と誤解されがちですが、時間をかけて信頼関係を築けばリラックスした姿を見せるようになります。
個体差も大きく、比較的おとなしく人に慣れやすい子もいれば、音や光に敏感で警戒心が強い子もいます。性格には遺伝や生育環境が関係しており、幼少期から人の手に触れる機会が多い個体は慣れやすい傾向があります。
また、夜行性であるため、活動のピークは夜です。昼間に無理やり触ろうとするとストレスを与えてしまうため、性格を理解した接し方が大切になります。飼育者に慣れてくると、手のひらで体を伸ばして眠るなど「なついたサイン」とされる仕草も見られます。
一方で、無理に触れようとすると嫌悪感を示し、針を立てたり鳴き声を上げたりすることがあります。
ハリネズミのしっぽの役割とは?

ハリネズミのしっぽは長さ2〜3cmほどでとても短く、背中の針や体毛に隠れて目立たないため、存在自体を知らない人も少なくありません。しかし、この小さな部位にもいくつかの役割があります。まず、歩行時のバランスを取る機能があり、特に狭い場所や複雑な地形を移動するときに安定性を高めます。
次に、しっぽは感情表現の一部でもあります。観察していると、リラックスしているときや落ち着いているときにピクピク動くことがあり、かわいらしい仕草のひとつとされています。反対に、緊張しているときにはほとんど動かないこともあり、針と同じく「感情を読み取るサイン」となります。
さらに、しっぽは排泄器官のすぐ近くにあり、排泄時にわずかに持ち上がるような動きを見せることもあります。これは生理的な役割であり、観察の際には清潔管理の指標になる場合もあります。
研究データはまだ限られていますが、動物行動学的には「不要な部位」ではなく、「生活に組み込まれた機能」として理解されています。
ハリネズミの寿命は?
ハリネズミの寿命は飼育下で平均3〜5年とされます。これは同じくらいの大きさの小型哺乳類と比較しても標準的な長さです。しかし、適切な食事や温度管理、定期的な健康チェックが行われれば、6〜7年生きる個体も確認されています。
寿命に影響する要因は大きく3つあります。第一に、食事内容です。野生では昆虫を主食としていますが、飼育下では専用フードを与えることが推奨されています。高脂肪の食べ物を与えすぎると肥満や肝臓病につながり、寿命を縮めるリスクが高まります。
第二に、温度管理です。ハリネズミは20〜28度前後を快適とし、寒さにさらされると冬眠、暑さにさらされると夏眠に入ることがあります。どちらも体力を大きく消耗し、死に直結する危険性があるため、温度と湿度の安定が不可欠です。
第三に、病気の早期発見です。ハリネズミは腫瘍や皮膚病にかかりやすい傾向があるため、定期的な健康チェックと獣医師の診察が推奨されます。特に日本ではエキゾチックアニマルに対応できる動物病院が限られているため、事前にかかりつけ医を探しておくことが重要です。
ハリネズミの飼い方は?
ハリネズミを正しく飼うためには、まずケージ選びが大切です。最低でも60cm以上の広さが必要で、床材にはペット用チップやペーパーを敷き、清潔を保ちます。隠れるための巣箱や寝床を設置することも欠かせません。彼らは臆病なので、安心できる隠れ場所があるとストレスが減ります。
食事は専用フードを主食にし、栄養バランスを考えて昆虫(ミルワームやコオロギなど)を補助的に与えます。果物や野菜は少量なら与えられますが、糖分や水分が多いと下痢や肥満の原因になるため注意が必要です。
また、運動不足を防ぐために回し車を設置することが推奨されます。夜行性で活発に動き回る習性があるため、十分な運動が健康維持につながります。
温度管理は特に重要で、エアコンや専用ヒーターを使って適温を保つ必要があります。急激な気温変化は命に関わるため、季節ごとに工夫が求められます。湿度も40〜60%を目安に管理することが理想的です。
接し方においては、無理に抱っこせず、まずは匂いを覚えさせることから始めます。少しずつ慣れさせることで、かわいい仕草やなつく瞬間に出会えるようになります。
ハリネズミのしっぽはなつくサイン?かわいい瞬間や値段、種類とのつながりを考える

ハリネズミの値段は?
ハリネズミの値段は、2025年現在、日本のペットショップやブリーダーから迎える場合でおよそ1万5千円〜5万円程度が相場です。価格の幅は、個体の種類や毛色、繁殖の難易度、健康状態によって決まります。特にアルビノやパイド(まだら模様)といった希少カラーは需要が高く、7万円以上になる場合もあります。
また、ペットショップでは比較的入手しやすい価格で販売されていますが、ブリーダーから直接迎えると、健康管理や血統管理がしっかりしている分やや高額になる傾向があります。その代わり、ブリーダーからの購入は病気リスクの低減や飼育アドバイスを受けられるメリットがあります。
注意すべきは、本体価格だけでなく初期費用と維持費です。ケージ、回し車、ヒーター、床材、フードなどを含めると初期費用だけで3万〜5万円程度かかり、毎月の維持費も5000〜1万円ほど必要です。
ハリネズミのむかつく瞬間は?
ハリネズミはとても愛らしい動物ですが、飼育者にとって「むかつく」と感じてしまう場面も少なくありません。たとえば、せっかく慣れてきたと思っても急に針を立てて丸まってしまうと、「また警戒されてしまった」と落ち込む飼育者も多いです。これはハリネズミが本来臆病な動物だからであり、信頼関係が築かれるまでに時間がかかるのは自然なことです。
また、トイレを決まった場所でしてくれないのも、飼育者がむかついてしまう瞬間のひとつです。個体によってはケージの隅々や回し車の上で排泄してしまうため、毎日の掃除が欠かせません。特に回し車で走りながら排泄する習性は多くの飼育者が「厄介」と感じるところです。
さらに、ハリネズミは夜行性のため、深夜に活発になって回し車を回し続けたり、ガサガサ音を立てたりすることがあります。飼育者の睡眠を妨げるこの習性は、かわいさと引き換えに「むかつく」と思わせる要因にもなります。
抱っこを試みても嫌がって針を立てられると、「こんなに世話しているのになぜなつかないのか」とイライラしてしまうこともあります。これは人間側の期待と、ハリネズミの本来の性格とのギャップから生じるものです。
食べ物の好き嫌いも意外と激しく、せっかく高価なフードやおやつを用意しても食べない場合があります。これも飼育者が思わずむかついてしまう原因の一つです。
ハリネズミの種類は?
世界には約16種類のハリネズミが知られていますが、日本でペットとして流通しているのはごく一部です。以下に代表的な種類を挙げます。
- アフリカチビハリネズミ(ヨツユビハリネズミ)
日本でペットとして飼育されているほぼ唯一の種類。体が小さく、人に馴れやすいとされ、カラーも豊富。 - ヨーロッパハリネズミ
ヨーロッパ全域に分布。保護対象となっており、日本ではペットとして飼育できない。 - インドハリネズミ
インドや中東に分布。野生個体は保護されており、ペットとしての流通は認められていない。 - アムールハリネズミ(アジアハリネズミ)
ロシア極東や中国北部に生息。寒さに強いが、ペットとしては一般的ではない。 - アルジェリアハリネズミ
北アフリカに生息。アフリカチビハリネズミと交雑し、現在のペット個体の基盤となったといわれる。
ペットショップで見かける「種類」の多くは、実際にはアフリカチビハリネズミのカラーバリエーションです。代表的なカラーは以下の通りです。
- ソルト&ペッパー:最も一般的な毛色
- シナモン:茶色がかった柔らかい色合い
- アルビノ:白い毛と赤い目が特徴
- パイド:白と黒の模様が混ざるまだら模様
実際には「種類」と呼ばれることが多いものの、ペットとして流通する大半は同じ種(アフリカチビハリネズミ)であり、違いは色や模様によるバリエーションです。
ハリネズミの食べ物は?

ハリネズミは雑食性ですが、特に昆虫を中心とする「食虫性」の傾向が強い動物です。野生ではコオロギやバッタ、ミミズ、カタツムリ、小さな爬虫類や鳥の卵などを食べます。果実や植物も口にしますが、主食はあくまで動物性たんぱく質です。
飼育下では専用のハリネズミフードが主流で、2025年現在はペット栄養学に基づいたバランスの良い商品が流通しています。補助食としてミルワームやコオロギなどの昆虫を与えると、自然に近い食生活になります。
ただし、人間の食べ物は塩分や糖分が多く、健康被害につながるため絶対に与えてはいけません。特にチョコレートやアボカドは中毒症状を引き起こす可能性があり、危険とされています。
また、肥満を防ぐために脂肪分の多いおやつを控えることも重要です。ハリネズミは運動不足になりやすいため、食事量を調整しないと肥満や肝臓疾患に直結します。
水分補給も大切で、給水ボトルよりも皿に水を入れて与える方が自然で飲みやすいと考える飼育者もいます。
ハリネズミの鳴き声は?
ハリネズミは普段あまり鳴かないため「無口な動物」と思われがちですが、実際には状況によってさまざまな音を出します。最もよく知られているのが「シューッ」という威嚇音で、これは強い警戒心や不快感の表れです。
リラックスしているときや飼い主に慣れているときには、小さな「プープー」「ピーピー」といったかわいらしい声を出すことがあります。これは安心しているサインとして観察されることが多いです。
また、夜の活動時には「クックッ」という小さな独り言のような声を出すことがあり、これは探索や遊びの最中に聞かれることがあります。繁殖期にはオスがメスを呼ぶときに独特の鳴き声をあげることも知られています。
一方で、大きな声や苦しそうな鳴き声を出している場合は体調不良の可能性があります。特に呼吸器の病気や強いストレスを受けているときに異常音が確認されることがあるため、注意が必要です。
ハリネズミのかわいい仕草は?
ハリネズミには飼育者を笑顔にするようなかわいい仕草がいくつもあります。代表的なのは「丸まる姿」で、防御のための行動でありながら、見た目はまるでボールのようで愛らしく映ります。
また、鼻をピクピクさせて匂いを嗅ぎながら歩く様子や、小さな足で回し車を一生懸命に回す姿も人気があります。夜中に黙々と走る姿は、観察しているとユーモラスに感じられることもあります。
慣れてくると、飼い主の手の上で体を伸ばして眠ったり、安心した表情を見せることがあります。これは「信頼の証」とされ、多くの飼育者が喜びを感じる瞬間です。
さらに、食べ物を見つけたときに夢中で食べる姿や、毛づくろいをする仕草もかわいらしい行動の一つです。ときには「アンティング」と呼ばれる独特の行動(新しい匂いを唾液で泡立てて体に塗る)も見られ、ユニークで興味深い行動として注目されます。
ハリネズミのしっぽの役割、かわいい仕草やなつく瞬間の総括
- ハリネズミは食虫目に属する小型哺乳類で、ネズミではなくモグラやトガリネズミに近い仲間である
- 日本でペットとして流通しているのは主に「アフリカチビハリネズミ」で、毛色や模様のバリエーションが豊富
- 背中に約5000〜7000本ある針は最大の特徴で、防御のために丸まる行動をとる
- しっぽは短いが、バランスをとる役割や感情表現、排泄時の補助など生活に関わる機能を持つ
- 寿命は平均3〜5年だが、飼育環境次第で6〜7年生きる個体も確認されている
- 飼い方のポイントは「温度管理」「栄養バランス」「隠れ場所の確保」「適度な運動」である
- 値段は1万5千円〜5万円程度で、希少カラーはさらに高価になることもある
- 人間が「むかつく」と感じるのは、トイレを覚えない、夜中にうるさい、なかなかなつかないといった場面に多い
- 世界には約16種類のハリネズミが存在するが、日本で飼育できるのはアフリカチビハリネズミに限られる
- 食べ物は専用フードを中心に昆虫を補助的に与え、危険な人間の食べ物は避けなければならない
- 鳴き声は少ないが、「シューッ」という威嚇音や「ピーピー」といった安心の声などで感情を伝えている
- 丸まる姿や回し車で走る様子、手の上で眠るなど、かわいい仕草は観察の楽しみであり健康状態を知る手がかりにもなる