ルリコンゴウインコとはどんな鳥なのでしょうか。
鮮やかな青と黄色の羽を持つこの大型インコは、その特徴や性格、そして驚くほど長い寿命でも知られています。
では、ルリコンゴウインコの値段はどのくらいで、飼い方にはどのような注意点があるのでしょうか。
また、雛から育てた場合の違いや、色変わり個体の存在、生息地での暮らし方、おしゃべりの得意さ、さらには独特な鳴き声や食べ物の好みまで、気になりませんか。
この記事では、専門家の見解や知られざる魅力を交えて、ルリコンゴウインコの寿命や性格に迫ります。
- ルリコンゴウインコの寿命や性格が気になる方
- 初めて大型インコの飼い方を学びたい方
- 雛から育てる違いを知りたい方
- 鳴き声やおしゃべりの特徴に興味がある方
- 色変わりや特徴的な見た目を知りたい方
ルリコンゴウインコの寿命と性格は本当に長くて穏やかなのか?

ルリコンゴウインコとは?
ルリコンゴウインコ(学名 Ara ararauna)は、南米に広く分布するオウム目インコ科の大型インコです。鮮やかな青と黄色の羽を持つことから「ブルーアンドゴールドマコウ(Blue-and-gold macaw)」とも呼ばれています。体長はおよそ80~90cm、体重は1~1.5kgと、インコ類の中でも最大級に分類される種のひとつです。
この鳥は野生下ではアマゾン流域の熱帯雨林に生息し、群れをつくって生活しています。強靭な翼を持ち、数十km単位で飛び回りながら食物を探します。主食は果物や木の実で、時には毒素を中和するために川辺の粘土を食べる習性も確認されています。
ルリコンゴウインコは観賞用・ペットとしても人気がありますが、長寿で知能が高く、人間と強い絆を築ける点が大きな魅力です。一方で体が大きく、鳴き声も非常に大きいため、飼育環境を十分に整えられる人でなければ継続的な飼育は難しいとされています。
ルリコンゴウインコの特徴は?
ルリコンゴウインコの最大の特徴は、やはりその羽の美しさにあります。背から翼にかけては濃いコバルトブルー、胸から腹部は黄金色に輝き、まるで南米の空と太陽を体現しているようです。顔は白い地肌に黒いラインが入り、個体ごとに微妙に異なる模様を持つのも特徴のひとつです。
さらに、力強い黒いクチバシは非常に硬く、アーモンドやブラジルナッツといった固い殻を割ることができます。この強靭なクチバシは道具のようにも使われ、木の枝をかじったり、登ったりする際にも役立っています。
知能面でも注目されており、鳥類の中でも高い学習能力を持つことが知られています。動物行動学の研究では、ルリコンゴウインコが仕掛けを解いたり、言葉を覚えたりする力に優れていることが報告されています。
また、社交的な性格を反映して、野生では群れでの協調行動が目立ちます。危険を知らせる鳴き声を出したり、仲間とエサ場を共有したりと、知性と社会性を兼ね備えている点も大きな特徴です。
ルリコンゴウインコの寿命は?
ルリコンゴウインコは、鳥類の中でも非常に長寿であることが知られています。野生下では平均して30~35年程度の寿命が確認されていますが、飼育下では50年以上生きることも珍しくありません。実際に、70年以上生きた記録もあり、人間の人生の大半を共に過ごすパートナーになり得る動物です。
長寿の理由としては、大型種であることや、健康的な生活習慣を維持できれば病気にかかりにくい体質を持っていることが挙げられます。ただし、これはあくまで適切な飼育環境が整っている場合に限られます。不適切な食事(脂肪分の高い種子ばかり与えるなど)や、運動不足、飼い主とのコミュニケーション不足は寿命を大きく縮めるリスクとなります。
特に注意すべきは「ストレス」で、精神的に満たされない環境では自分の羽を抜く「自咬(じこう)」行動をとることが報告されています。この行動は深刻な健康被害を引き起こすため、精神的なケアが寿命維持に直結するといえるでしょう。
ルリコンゴウインコの性格は?

ルリコンゴウインコの性格は、一般的に明るく社交的で、人との関わりを強く求める傾向があります。知能が高いため、飼い主と会話をしているように反応したり、音や言葉をまねたりすることが得意です。こうした行動は「家族の一員」として存在感を強める要因となっています。
一方で、好奇心旺盛な性格はメリットでもあり、デメリットにもなります。退屈すると家具をかじったり、大きな声で鳴いたりと問題行動を起こすこともあります。これは「もっとかまってほしい」というサインであり、飼育者が日常的に十分な刺激と関わりを与えることが大切です。
個体差はありますが、多くのルリコンゴウインコは愛情深く、信頼できる飼い主には強い忠誠心を見せます。その一方で、知らない人に対しては警戒心を示す場合もあり、性格が「おおらか」とは限らない点も理解する必要があります。
ルリコンゴウインコの値段は?
ルリコンゴウインコの値段は、2025年現在の日本において70万円から150万円ほどが相場とされています。雛や若い個体で健康状態の良いものは高額で、特に希少な色変わり個体は200万円を超えることもあります。
この高額さの背景には、国際取引規制が関係しています。ルリコンゴウインコはワシントン条約(CITES)付属書IIに掲載されており、国際的な商取引は厳しく管理されています。そのため合法的に輸入・繁殖された個体に限られ、数が限られているため価格も高騰しやすいのです。
また、単純に「購入価格」だけでなく、飼育に必要な設備や維持費も考えなければなりません。大型ケージや遊具、専用ペレットや新鮮な果物・野菜、さらに鳥を診られる専門の動物病院の診察費用などがかかります。
ルリコンゴウインコの飼い方は?
ルリコンゴウインコの飼い方には、小型インコとは比べものにならないほどの準備と配慮が必要です。まず必要なのは十分なスペースで、体長が大きいため、幅1m以上の頑丈なケージが必須です。さらに、毎日の放鳥時間を確保して部屋の中で自由に運動させることも大切です。
食事は専用ペレットを基本とし、果物や野菜をバランスよく与えるのが理想です。特にビタミンA不足や脂肪過多になりやすいため、ひまわりの種やナッツ類はおやつ程度にとどめる必要があります。また、野生で見られる「クレイリック(土を食べる行動)」に相当するミネラル補給も意識して、専用のサプリメントやカットルボーン(イカの甲)を用いることが推奨されます。
さらに重要なのは精神面のケアです。ルリコンゴウインコは非常に賢いため、毎日のスキンシップや会話、知育玩具を通じた刺激が欠かせません。孤独や退屈は深刻なストレスにつながり、寿命を縮める原因となります。
ルリコンゴウインコの寿命や性格を知るために必要な飼育の知識とは?

ルリコンゴウインコの鳴き声は?
ルリコンゴウインコの鳴き声は非常に大きく、数百メートル先まで届くといわれています。これは野生下で仲間と連絡を取り合うために必要な機能で、群れで暮らす彼らにとって不可欠なコミュニケーション手段です。
飼育下でも、この習性は変わらず、特に朝や夕方など活発になる時間帯には大声で鳴くことが多くなります。そのため、集合住宅などの環境では近隣トラブルの原因になりやすく、飼育を検討する際には必ず考慮すべき点です。
ただし、大声は必ずしも「問題行動」ではありません。健康である証拠であり、鳴かない方が逆に体調不良や精神的ストレスの可能性を示します。重要なのは「なぜ鳴いているのか」を理解することです。寂しさや退屈、注意を引きたいときにも鳴き声は使われます。
ルリコンゴウインコの雛は?
ルリコンゴウインコの雛は、羽がまだ生えそろわない状態で生まれ、親鳥のもとで約3か月間育てられます。この期間に十分な給餌と温度管理が行われることで、健康に成長していきます。
日本で流通する雛の多くは「ハンドリリング」と呼ばれる人工飼育で育てられ、人間に慣れやすいのが特徴です。雛から育てることで飼い主との絆が深まりやすく、性格も比較的穏やかになる傾向があると報告されています。
しかし、雛の飼育は経験のない人にとって非常に難しいのも事実です。体温調整が未熟なため、保温設備が必要であり、餌を与えるタイミングや量を誤ると命に関わります。また、雛は病気にかかりやすく、異変にすぐ気付ける観察力も欠かせません。
そのため、初心者がいきなり幼い雛を迎えるのは推奨されません。信頼できるブリーダーや専門店で、ある程度育った健康な雛を譲り受けることが安全です。
ルリコンゴウインコの色変わりは?
ルリコンゴウインコといえば青と黄色の体色が定番ですが、ごくまれに「色変わり」と呼ばれる珍しい羽色を持つ個体が存在します。代表的な例として、青色が淡くなった「ターコイズ」や、部分的に羽色が異なる「パイド」などがあります。これらは突然変異や繁殖の過程で生まれる希少な存在です。
色変わり個体は自然界ではほとんど確認されず、多くは人為的な繁殖によって生まれます。そのため、通常の個体よりも流通数が極端に少なく、価格も数百万円に達する場合があります。希少性から「コレクターズアイテム」として扱われることもあるのです。
ただし、色変わりだからといって寿命や性格が大きく変わるわけではありません。基本的な生態や飼育方法は通常の個体と同じであり、見た目の違いだけが特徴です。むしろ繁殖の過程で遺伝的リスクが増す可能性も指摘されているため、健康面で注意が必要な場合もあります。
ルリコンゴウインコのおしゃべりは?

ルリコンゴウインコは、大型インコの中でも特に「おしゃべり好き」として知られています。知能が高く、人間の言葉や環境音を記憶してまねる能力があります。中には数十種類の単語を覚え、状況に応じて使い分ける個体も観察されています。これは単なる模倣ではなく、社会性や学習能力の高さを示す重要な行動です。
おしゃべりの上達は個体差が大きいですが、共通しているのは「日常的にどれだけ人と関わっているか」で差が出るという点です。飼い主が積極的に声をかければかけるほど、多くの言葉を覚えやすくなります。逆に放置されると、言葉を覚える機会が減り、大声で鳴くことが増える傾向があります。
また、模倣するのは言葉だけではなく、電子音やドアの音など生活音も対象になります。そのため「家の中でまるで会話をしているように聞こえる」というユニークな飼育体験が得られるのも魅力のひとつです。
ルリコンゴウインコの生息地は?
ルリコンゴウインコの生息地は、南米の広大な熱帯雨林です。特にブラジル、ペルー、ボリビア、パラグアイ、ベネズエラなど、アマゾン流域を中心に分布しています。彼らは主に川沿いや湿地帯にある大木をねぐらにしており、群れで移動しながら果物や木の実を探して生活します。
野生下では1日に数十キロメートルも移動することがあり、広い行動圏を持っています。群れで行動するのは捕食者から身を守るためだけでなく、食べ物を見つけやすくするという利点もあります。
しかし近年、生息地の森林伐採や農地開発が進んだことで、分布域が狭まりつつあります。IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは「低危険種(LC)」に分類されていますが、地域によっては個体数の減少が深刻であり、保護活動が行われています。
ルリコンゴウインコの食べ物は?
ルリコンゴウインコは雑食性ですが、主食は果物、ナッツ、種子など植物性の食べ物です。特に固い殻を持つナッツを割る力は非常に強く、そのための頑丈なくちばしを持っています。野生下ではアーモンドやパームナッツなどを食べることが多く、他の動物が食べられない硬い食物資源を効率的に利用できるのです。
また、野生では「クレイリック」と呼ばれる行動が知られており、川辺の粘土質の土を食べることがあります。これは果物に含まれる天然の毒素を中和するための行動であると考えられ、栄養学的にも重要な習性です。
飼育下では、ペレットフードを基本とし、バナナやリンゴ、パパイヤなどの果物、ニンジンやブロッコリーといった野菜をバランスよく与えることが推奨されています。ナッツやヒマワリの種は好物ですが、与えすぎると肥満や肝臓病を引き起こすため注意が必要です。
ルリコンゴウインコ 寿命 性格の総括
- ルリコンゴウインコ(Ara ararauna)は南米の熱帯雨林に生息する大型インコで、鮮やかな青と黄色の羽が特徴。
- 平均寿命は野生で30~35年、飼育下では50年以上生きることもあり、70年以上の記録も存在する。
- 性格は社交的で人懐っこいが、好奇心旺盛なため退屈すると大声や問題行動につながることがある。
- 値段は日本では70~150万円が相場で、希少な色変わり個体はさらに高額。ワシントン条約により流通も制限されている。
- 飼い方には広い飼育スペース、バランスの取れた食事、毎日のコミュニケーションが不可欠。
- 鳴き声は非常に大きく、自然な行動であるため完全に抑えることはできないが、刺激や遊びを与えることで軽減できる。
- 雛から育てると飼い主に慣れやすいが、温度や給餌管理が難しく、初心者には不向き。
- 色変わり個体は見た目が珍しいだけで基本的な飼育方法は同じであり、健康管理が最も重要。
- おしゃべりが得意で、人間の言葉や音をまねる能力が高く、飼い主との関わりで覚える言葉の数が変わる。
- 生息地では群れで行動し、森林伐採の影響を受けつつもIUCNレッドリストでは「低危険種」に分類されている。
- 食べ物は果物やナッツ、種子が中心で、飼育下ではペレットや新鮮な野菜果物を与えることが推奨される。
- 長寿で知能が高いことから「一生のパートナー」としての覚悟が必要であり、飼育は簡単ではないが大きな魅力を持つ鳥である。