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ケヅメリクガメの大きさと飼育は本当に難しい?後悔しないために知るべき全知識

ケヅメリクガメとは、アフリカの乾燥地帯に生息する大型のリクガメで、がっしりとした体つきと独特な存在感が特徴です。

成長にともなってケヅメリクガメの大きさは想像以上になり、飼育を考える際にはその将来像を理解しておくことが欠かせません。

近年はエキゾチックアニマルとして人気が高まり、ケヅメリクガメの値段や飼育方法、食べ物について調べる方も増えています。


一方で、ケヅメリクガメには乾燥地に適応した独特の習性があり、その行動や生活リズムは一般的なペットとは大きく異なります。

こうした特徴を知らずに飼育を始めると、環境づくりや管理の面で戸惑い、難しいと感じてしまうケースがあるのも事実です。

また、ケヅメリクガメにはいくつかの種類や個体差があり、人になつくように見えることもありますが、犬や猫とは異なる距離感で向き合う動物です。

さらに長寿であることから、繁殖や長期的な飼育計画まで含めて考える必要があります。

この記事では、ケヅメリクガメの歴史や特徴を踏まえながら、大きさ・飼育・難しいと言われる理由を整理し、飼う前に知っておきたい現実を専門的かつわかりやすく解説していきます。

この記事はこんな方におすすめ
  • ケヅメリクガメを飼ってみたいと思っている方
  • ケヅメリクガメの大きさがどれくらいになるのか知りたい方
  • ケヅメリクガメの飼育が難しいのか不安な方
  • 飼い始めてから後悔しないか知っておきたい方
目次

ケヅメリクガメの大きさと飼育は難しいのか?

ケヅメリクガメとは?

ケヅメリクガメとは、アフリカ大陸のサハラ砂漠南縁から東アフリカにかけて分布する、大型のリクガメです。
日本ではスルカタリクガメという名称でも知られており、世界的に見ても飼育例が多い大型リクガメのひとつです。

自然下では乾燥した草原や半砂漠地帯に生息し、高温で雨の少ない環境に適応してきました。
このため、湿度の高い環境や寒さには弱く、飼育下でも環境管理が重要になります。

前脚に発達したトゲ状の鱗(うろこ)が特徴で、これが和名の由来になっています。
この鱗と強い前脚は、地面を掘って穴を作るための構造であり、暑さを避けるための行動と深く関係しています。

現在、日本で流通しているケヅメリクガメの多くは、繁殖施設で生まれた繁殖個体です。
ワシントン条約(野生動植物の国際取引を規制する国際条約)により、野生個体の商業取引は厳しく制限されています。

そのため、ペットとして販売されている個体は、人の管理下で世代を重ねてきた背景を持っています。
これは「人に慣れやすい」という意味ではありませんが、野生捕獲個体よりも環境変化に適応しやすい傾向があります。

ケヅメリクガメの特徴は?

ケヅメリクガメの大きな特徴は、非常に丈夫で生命力が強い点です。
乾燥地帯に適応してきたため、適切な温度と日光が確保されていれば、比較的安定した健康状態を保ちやすいとされています。

また、草食性であることも特徴のひとつです。
肉や昆虫を必要とせず、牧草や野草を中心とした食生活で生きるため、食性自体は比較的シンプルです。

一方で、体の力が非常に強いという特徴も見逃せません。
体重の増加とともに押す力や踏みつける力が増し、飼育設備にかかる負荷も大きくなります。

これは攻撃性によるものではなく、純粋に体重と筋力による物理的な影響です。

成長スピードが早い点も重要な特徴です。幼体のうちは小さく見えても、数年で見違えるほど体格が変化します。

この変化を想定していないと、「急に飼いづらくなった」と感じてしまう原因になります。

また、知能が低いわけではなく、環境や生活リズムを学習する能力も持っています。

ただし、人と強く関係性を築くタイプの動物ではありません。
この点を誤解すると、期待と現実のズレが生まれやすくなります。

ケヅメリクガメの大きさは?

ケヅメリクガメの大きさは、飼育を考えるうえで最も重要な要素です。
成体になると甲長(甲羅の前後の長さ)はおよそ60〜80cmに達します。

体重は40kgを超えることもあり、個体によってはそれ以上になるケースも報告されています。このサイズは、中型犬から大型犬に近く、一般的なペットの感覚で扱える大きさではありません。

幼体のころは手のひらに収まるサイズで販売されることが多く、このギャップが飼育トラブルの原因になりやすいです。成長が早い個体では、数年のうちに持ち上げることが困難なサイズになります。この成長は異常ではなく、健康である証拠でもあります。

「思ったより大きくなった」という表現はよく聞かれますが、実際には事前に成体サイズを十分に想定できていなかったケースがほとんどです。

また、大きさに比例して必要な飼育スペースも拡大します。
一般的な室内ケージでは限界があり、将来的には屋外飼育や専用スペースが必要になる場合もあります。床の強度や脱走防止策も重要になり、単に広ければよいという問題ではありません。

ケヅメリクガメの習性は?

ケヅメリクガメは、非常に行動量の多いリクガメです。野生では広い乾燥地帯を歩き回り、草を探しながら生活しています。そのため、飼育下でも「よく動く」「止まっている時間が少ない」という性質は変わりません。狭い環境で飼育すると、運動不足になりやすく、肥満や筋力低下、甲羅の成長不良につながることがあります。

もうひとつ重要な習性が、穴を掘る行動です。ケヅメリクガメは強い日差しや高温を避けるため、地面を深く掘って涼しい場所を作ります。この行動は生きるために欠かせない本能であり、飼育下でも床材を掘り返したり、屋外飼育では地面に穴を掘ろうとします。これを問題行動と捉えて抑え込むのではなく、掘れる環境をどう確保するかが重要になります。

また、昼行性(昼間に活動する性質)である点も見逃せません。日中に活動し、日光浴を通して体温調整や健康維持を行います。日光に含まれる紫外線(UVB:骨や甲羅の形成に必要な光)が不足すると、カルシウムがうまく吸収されず、くる病(骨が弱くなる病気)などの健康トラブルが起こる可能性があります。

さらに、気温の変化に敏感で、寒さが続くと活動量が落ち、食欲も低下します。このため、日本の冬では自然環境と同じ感覚での飼育は難しく、保温対策が欠かせません。

ケヅメリクガメの歴史は?

ケヅメリクガメは、古くから人間と関わってきたリクガメです。アフリカの一部地域では、食料や生活資源として利用され、人の暮らしの中に存在してきました。その一方で、需要の増加とともに乱獲が進み、生息地の減少も重なって野生個体数が減少していきました。

こうした背景から、ケヅメリクガメは国際的な保護対象となり、現在はワシントン条約によって野生個体の商業取引が厳しく制限されています。その結果、現在ペットとして流通している個体のほとんどは、専門の繁殖施設で計画的に繁殖された繁殖個体です。野生から直接捕獲された個体ではないという点は、飼育を考えるうえで重要な前提になります。

ただし、繁殖個体であるからといって、野生での生態や必要とする環境が変わるわけではありません。広い行動範囲を必要とすることや、強い日光、乾燥した気候を好む点は、野生個体と同じです。この点を理解せずに、一般的なペットと同じ感覚で飼育すると、環境のミスマッチが起こりやすくなります。

なお、ケヅメリクガメは国際的にも保全状況が評価されており、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでも情報が公開されています。より詳しい保全状況については、公式情報を確認すると理解が深まります。

ケヅメリクガメの寿命は?

ケヅメリクガメの寿命は非常に長く、飼育下では50年以上生きる可能性があるとされています。適切な環境と食事管理が行われた場合、60年近く生きた記録もあり、リクガメの中でも特に長寿な部類に入ります。これは一時的に世話をするペットというより、「人生の大部分を共に過ごす存在」と考える必要がある動物です。

野生下では天候や捕食、食料事情などの影響を受けるため寿命は短くなる傾向がありますが、飼育下ではこれらのリスクが減る分、寿命が大きく伸びます。ただし、これは自動的に長生きするという意味ではなく、長期間にわたって適切な飼育環境を維持できた場合に限られます。

寿命に大きく影響する要素として、食事内容と紫外線環境が挙げられます。繊維質の少ない食事やカルシウム不足が続くと、若いうちから甲羅や骨に異常が出て、結果的に寿命を縮めてしまうことがあります。また、紫外線(UVB)が不足すると、体の内部でカルシウムをうまく利用できず、慢性的な健康問題につながります。

さらに、成長後の体の大きさも寿命と無関係ではありません。体が大きくなるにつれて、運動不足や肥満が起こりやすくなり、内臓への負担が増す可能性があります。そのため、年齢を重ねても十分に動ける環境を維持することが重要になります。

ケヅメリクガメの飼育はなぜ難しいと言われるのか?

ケヅメリクガメの飼育方法は?

ケヅメリクガメの飼育方法が難しいと言われる理由は、成長段階ごとに必要な環境が大きく変わる点にあります。幼体のうちは室内ケージでの管理が可能ですが、成長にともなって必要なスペースや設備が急激に増えていきます。この変化を想定せずに飼育を始めると、途中で対応が追いつかなくなるケースが多く見られます。

温度管理は飼育の基本です。日中は30℃前後、バスキングスポット(体を温める場所)は35℃前後を確保し、夜間でも20℃を下回らないように保温する必要があります。日本の冬は自然環境と大きく異なるため、保温器具や断熱対策が欠かせません。これを怠ると、食欲低下や免疫力の低下につながります。

紫外線管理も非常に重要です。自然の日光が十分に当たらない環境では、UVBライト(骨や甲羅の形成に必要な紫外線を出す照明)を必ず使用します。紫外線が不足すると、カルシウムを摂取していても体内でうまく利用できず、骨や甲羅に異常が出る可能性があります。

また、床材や飼育スペースの構造も重要です。滑りやすい床や硬すぎる地面は関節や爪に負担をかけます。さらに、脱走防止対策を怠ると、想像以上の力で柵を押しのけて外に出てしまうこともあります。

ケヅメリクガメの食べ物は?

ケヅメリクガメは完全な草食性で、食事内容は健康と寿命に直結します。基本となるのは牧草で、特にチモシー(イネ科の乾燥牧草)が主食として適しています。繊維質が豊富で、腸内環境を安定させる役割があります。

野菜を与える場合は、小松菜、チンゲン菜、モロヘイヤなど、カルシウムを多く含む葉物野菜が適しています。ただし、野菜はあくまで補助的な位置づけで、主食を置き換えるものではありません。果物や糖分の多い野菜は嗜好性が高い反面、与えすぎると腸内環境を乱し、肥満や下痢の原因になります。

カルシウム不足を防ぐため、カルシウムパウダーなどのサプリメントを適切に使用することも一般的です。ただし、過剰摂取は別の健康問題を引き起こす可能性があるため、量と頻度には注意が必要です。

幼体期は成長が早いため栄養管理が特に重要ですが、成体になってからも食事管理を怠ると、甲羅の変形や内臓への負担につながります。

ケヅメリクガメの値段はいくら?

ケヅメリクガメの値段は、幼体であれば数万円から購入できることが多く、他の大型リクガメと比べると初期費用は抑えやすい傾向があります。この価格だけを見ると、手を出しやすいエキゾチックアニマルだと感じる方もいるでしょう。

しかし、実際にかかる費用の大部分は生体価格ではありません。成長に合わせてケージを大型化したり、屋外飼育用の設備を整えたりする必要があります。さらに、保温器具、紫外線ライト、床材、餌代、電気代など、継続的なコストが発生します。

特に体が大きくなるにつれて食事量が増え、餌代は確実に上がっていきます。また、寿命が非常に長いため、これらの費用が数十年にわたって続く点も重要です。一時的な出費ではなく、長期的な負担として考える必要があります。

安く購入できたから飼いやすい、という判断は非常に危険です。

ケヅメリクガメはなつく?

ケヅメリクガメは、一般的な意味で「なつく」動物ではありません。犬や猫のように感情表現で甘えたり、飼い主に依存した行動を見せたりすることは基本的にありません。ただし、飼育者の存在を認識し、安心できる相手として覚える能力は持っています。

日常的に世話をしていると、餌の時間に近づいてきたり、同じルートで後を追うような行動を見せることがあります。これを「なついている」と感じる方もいますが、実際には環境への慣れと学習による行動です。危険な存在ではないと理解し、餌や環境を提供する相手として認識している状態だと考えると分かりやすいでしょう。

多くの個体は触られることを好まず、無理に持ち上げたり撫でたりすると強いストレスを感じます。ストレスが続くと食欲不振や活動量の低下につながる可能性もあります。そのため、スキンシップを前提にしたペット像を求めている場合には、ケヅメリクガメは向いていないと言えます。

一方で、性格は比較的穏やかで、人に対して攻撃的になることはほとんどありません。距離を保ちながら同じ空間で暮らし、成長や行動を静かに見守る関係性を楽しめる人にとっては、大きな魅力を感じられる存在です。

ケヅメリクガメの繁殖は可能?

ケヅメリクガメの繁殖は、家庭飼育では非常に難易度が高いとされています。繁殖には成熟したオスとメスが必要ですが、性成熟には長い時間がかかり、個体によっては10年以上を要します。また、成熟した個体同士でも必ず繁殖行動が見られるとは限りません。

繁殖行動には広いスペースが必要で、狭い環境では交尾行動が起こりにくいとされています。さらに、オスは繁殖期になるとメスに対して強く接触することがあり、十分な逃げ場がないとメスに大きな負担がかかる可能性があります。この点だけを見ても、一般家庭での繁殖が難しい理由が分かります。

仮に産卵した場合でも、そこからが本当の難関です。卵は一定の温度と湿度で管理する必要があり、管理を誤ると孵化しません。さらに、孵化後の幼体は非常にデリケートで、温度管理や食事管理を少し誤るだけで命に関わる問題が起こります。

現在流通しているケヅメリクガメの多くは、専門施設で計画的に繁殖された個体です。一般の飼育者が繁殖を目的に飼うことは現実的ではなく、繁殖は専門家に任せるべき分野だと考えるのが妥当です。

ケヅメリクガメは本当に難しい?

ケヅメリクガメの飼育は、決してすべての人にとって難しいわけではありません。ただし、向き不向きがはっきり分かれる動物であることは確かです。難しいと感じる人の多くは、成長後の大きさや必要な環境、寿命の長さを十分に想定せずに飼育を始めてしまったケースです。

事前に情報を集め、将来を見据えた環境づくりができる人にとっては、ケヅメリクガメは比較的安定して飼育しやすい動物でもあります。病気にかかりにくく、適切な食事と環境が整っていれば、大きなトラブルが起こりにくい点は事実です。

一方で、途中で飼育環境を変えられなくなったり、引っ越しや生活環境の変化に対応できなくなったりすると、一気に負担が大きくなります。特に寿命が非常に長いため、「今の生活」だけで判断するのは危険です。

ケヅメリクガメの飼育が難しいと言われる理由は、動物そのものが特別に扱いづらいからではありません。

ケヅメリクガメの大きさ・飼育・難しいと言われる理由の総括

  • ケヅメリクガメはアフリカ原産の大型リクガメで、成体になると60〜80cm、40kg以上に成長する可能性がある
  • 幼体は小さく見えるが、成長スピードが早く、将来の大きさを想定せずに飼育を始めると負担が大きくなりやすい
  • 飼育自体は不可能ではないが、広いスペース・温度管理・紫外線管理など、成長後を見据えた環境づくりが必須になる
  • 行動量が多く、穴掘りや日光浴といった本来の習性を満たせない環境では、健康トラブルが起こりやすい
  • 食べ物は牧草中心の草食性でシンプルだが、量・質・継続性を誤ると甲羅や骨に深刻な影響が出る
  • 生体価格は比較的手頃でも、設備費・餌代・電気代などの飼育コストは長期的にかかり続ける
  • 寿命は50年以上に及ぶ可能性があり、数十年単位で世話を続けられる覚悟とライフプランが求められる
  • 犬や猫のようになつく動物ではなく、距離感を保ちながら共に暮らす生き物だと理解することが大切
  • 繁殖は家庭飼育では現実的ではなく、専門施設に任せるべき分野である
  • ケヅメリクガメの飼育が難しいと言われる理由は、動物そのものよりも人側の準備不足や想定不足にある

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