ボタンインコは性格悪いって本当？特徴から寿命・種類・飼い方まで徹底解説

ボタンインコとはどんな鳥なのか、皆さんはご存じでしょうか。

小さな体に鮮やかな羽を持つこのインコは、その可愛らしい見た目から多くの人に人気があります。

しかし一方で、ボタンインコは性格が悪いと耳にすることもあります。

本当に性格が悪いのでしょうか、それとも誤解なのでしょうか。

この記事では、ボタンインコの特徴や寿命、値段、さらには喋る能力や鳴き声、雛の育て方、生息地や食べ物まで、他では得られない深掘り情報をまとめます。

また、似た存在としてよく比較されるコザクラインコとの違いについても考えていきます。

可愛い姿の裏にある生態の不思議や、飼育する上で知っておきたい専門家の見解を探りながら、ボタンインコの魅力に迫ってみませんか。

ボタンインコ 性格悪いと言われるのは本当なのか？

ボタンインコとはどんな鳥なのか？

ボタンインコとは、アフリカ南部を中心に分布する小型インコで、ラブバードとも呼ばれる種類に分類されます。体長は約13〜15センチ、体重は40〜55グラムほどで、インコの中でもかなり小型です。

羽の色は鮮やかで、緑、青、黄、赤などが組み合わさり、品種や変異によって多様なバリエーションが存在します。首元にくっきりと色が分かれた模様があることから「ボタンをつけたように見える」というのが名前の由来です。

野生では、タンザニア、ザンビア、アンゴラ、モザンビークなどに生息し、サバンナや森林周辺に群れで暮らしています。群れの数は数十羽に及ぶこともあり、非常に社会性が高いのが特徴です。仲間との結びつきが強い一方で、縄張り意識も強く、自分やパートナーを守るために攻撃的な行動をとることもあります。

日本ではペットとして人気があり、繁殖も進んでいるため入手は比較的容易です。ただし、その可愛らしい見た目に反して「気が強い」「噛み癖がある」と言われることがあり、ここから「性格が悪い」とのイメージが広まりました。しかし実際は、生き延びるための本能が家庭でも表れているに過ぎません。

詳しい分類情報は IUCN Red List（国際自然保護連合）を参照できます。

ボタンインコ 特徴から見える性格とは？

ボタンインコの特徴のひとつは、その活発さと好奇心の強さです。日中はよく動き回り、飼い主や周囲の物に強い関心を示します。特に気になるものは噛んで確かめる習性があり、これが「噛み癖」として受け取られることがあります。また、飼い主に強く懐く反面、独占欲が強く、他の人やペットが近づくと嫉妬心をあらわにすることがあります。

このような行動から「性格が悪い」と言われることがありますが、専門家の見解では「攻撃性ではなく防衛本能」とされています。野生の群れで生きるためには、食べ物や縄張りを守ることが必須であり、その本能が家庭でも表れているに過ぎません。

特徴的なのは鳴き声で、甲高くよく通る声を出すため、集合住宅などでは「うるさい」と感じられることもあります。しかしこれは仲間とコミュニケーションを取るための正常な行動です。また、学習能力が高く、遊び道具や環境の工夫によってストレスを減らすと、攻撃的な行動は和らぎます。

ボタンインコ 性格が悪いのか本当？

結論から言えば、ボタンインコの性格が悪いと一概に断じるのは誤りです。確かに、噛む、鳴く、嫉妬するなどの行動が「悪い性格」と誤解されやすいのは事実です。しかし、それらはすべて自然な習性に基づく行動であり、個体の本質的な性格を示すものではありません。

理由としては、第一に縄張り意識の強さ、第二にパートナーや飼い主への依存の強さが挙げられます。例えば、飼い主が自分以外のインコを構っていると攻撃的に見える行動をとることがあります。これは「悪意」ではなく「独占欲」や「不安」の表れです。

具体例として、適切にしつけを行い、十分な遊び時間やかじるための道具を用意すると、噛み癖や鳴き声の問題が改善することが知られています。また、毎日短時間でもコミュニケーションをとることで信頼関係が築かれ、落ち着いた行動を見せるようになります。

ボタンインコ 寿命はどのくらい？

ボタンインコの寿命は一般的に7〜10年程度とされています。ただし、これはあくまで平均値であり、飼育環境が整っている場合には15年以上生きることもあります。2025年現在、日本国内でも20年近く生きた例が報告されており、寿命は決して短くありません。野生下では外敵や病気、食糧不足によって寿命は短くなりがちですが、家庭で適切な飼育を行えば長寿が期待できます。

寿命に大きく関わるのは、食事と生活環境です。栄養バランスの取れたペレットや野菜、果物を与えること、そしてストレスを溜めない環境を整えることが長生きの秘訣といわれています。特にボタンインコは活動的で運動量が多いため、狭いケージに閉じ込めっぱなしでは寿命を縮めてしまう恐れがあります。

また、寿命と性格には興味深い関係があります。若鳥の時期は気が強く、噛み癖や大きな鳴き声が目立つ傾向にありますが、年齢を重ねると落ち着きが出て「性格が悪い」と言われる行動が減ることが多いのです。

ボタンインコ 値段はいくらくらい？

ボタンインコの値段は日本国内でおよそ8,000円〜20,000円が相場です。色変わりや珍しい品種は30,000円以上になることもあり、ブリーダーから直接購入する場合はさらに高額になる場合もあります。特に鮮やかなブルー系やホワイト系は人気が高く、流通量が少ないため値段が上がりやすい傾向があります。

値段と性格の間に直接的な関係はありません。しかし、ブリーダーが手間をかけて育てた個体は人慣れしている場合が多く、結果的に「性格が良い」と感じられるケースが多いのです。逆に、安価で販売されることが多いショップ育ちの個体は、人との接触が少なく、噛み癖や警戒心が強く残っていることもあります。

また、値段を判断基準にするよりも、その個体がどのような環境で育ってきたかを確認することが大切です。十分な世話を受けてきたか、親鳥から早すぎに引き離されていないかといった要素が性格形成に影響します。2025年現在、動物福祉の観点からも「価格ではなく育成環境を重視すること」が推奨されています。

ボタンインコ 喋ることはできるのか？

ボタンインコは、オウム類の中でもヨウムやオカメインコのように人間の言葉を流暢に覚える能力は持っていません。しかし、全く喋れないわけではなく、簡単な単語や音をまねることは可能です。例えば「おはよう」や「かわいい」など短い言葉を繰り返す個体もいれば、インターホンや電子音をまねる例もあります。

ただし、すべての個体が喋るわけではなく、声の真似が得意かどうかは個体差による部分が大きいです。研究でも、小型インコの言語模倣は個体の性格や育った環境に強く依存することが示されています。つまり、喋ることができるかどうかは「その子の特性と飼い主の関わり方」に左右されるのです。

喋る力と性格の印象にも関係があります。喋れる個体は声で感情を表現できるため、攻撃的な行動が少なく「性格が良い」と見られやすい傾向があります。逆に、声での表現が少ない個体は、かじる・噛むといった行動で意思を伝えようとするため、それが「性格が悪い」と誤解されがちです。

ボタンインコ 性格悪いと感じる前に知るべきこととは？

ボタンインコ 鳴き声はうるさいのか？

ボタンインコの鳴き声は、甲高く響くのが特徴で、多くの飼い主が「よく鳴く鳥」という印象を持っています。特に朝や夕方は活発に鳴き、仲間に呼びかけるような声や、環境の変化に反応した声をあげることがあります。その音量は小型ながらも想像以上に強く、集合住宅では「うるさい」と感じられることもあるでしょう。

しかし、この鳴き声はボタンインコにとって自然なコミュニケーションの手段です。群れで生きる彼らは常に仲間と声を掛け合い、危険を知らせたり、パートナーとの絆を確かめたりしています。つまり、鳴き声は性格が悪いからではなく、群れ社会で必要不可欠な行動なのです。

鳴き声が問題になる場合は、飼育環境の工夫で改善できます。例えば、遊び道具を増やしてストレスを減らす、日中に放鳥してエネルギーを発散させるなどです。さらに、規則正しい生活リズムを作ることで、鳴く時間帯を安定させられます。専門家も「鳴き声を性格と結びつけるのではなく、行動の意味を理解することが大切」と指摘しています。

ボタンインコ 種類によって性格は違う？

ボタンインコにはいくつかの種類があり、それぞれ羽色や見た目の特徴だけでなく、性格にも傾向があるといわれています。もちろん個体差が大きいですが、一般的に次のような特徴が知られています。

• クロボタンインコ：黒い顔が特徴で、比較的穏やかな性格。初心者でも飼いやすいとされる。
• キエリクロボタンインコ：頭に黄色が入り、活発で好奇心旺盛。人懐っこい個体も多い。
• ルリボタンインコ：青い羽が美しく、やや気が強いといわれる。自己主張がはっきりしている。
• アカボタンインコ：顔が赤い種類で、明るく元気な性格。群れでの行動を好む傾向が強い。
• シロボタンインコ（白変種）：希少な色変わりで、性格は比較的おとなしいが、環境に敏感な面もある。
• その他のカラー変種：ブリーダーによる改良で生まれた個体も多く、性格は一概に言えないが人との関わり方で大きく変化する。

このように種類ごとに性格の傾向は語られるものの、実際には育った環境や飼い主との関わりが最も大きな影響を与えます。例えば、同じルリボタンでも、幼い頃から人と接して育った個体は懐きやすくなる一方、放置されがちな環境で育った個体は噛み癖が出やすくなることがあります。

ボタンインコ コザクラインコ 違いはどこ？

ボタンインコとよく比較されるのがコザクラインコです。どちらもラブバード属に属し、体の大きさも似ているため混同されがちですが、いくつかの違いがあります。まず見た目では、ボタンインコは首元に特徴的な「ボタン模様」があり、体はやや小ぶりです。一方、コザクラインコは顔が丸みを帯び、くちばしが大きめなのが特徴です。

性格面でも違いが語られます。ボタンインコは縄張り意識や独占欲が強く、嫉妬心から「性格が悪い」と誤解されやすい傾向があります。対して、コザクラインコは比較的社交的で、人に懐きやすいとされることが多いです。ただし、コザクラインコも気が強い一面を持っており、必ずしも穏やかというわけではありません。

飼育者の間では「ボタンインコは一途で頑固、コザクラインコは明るくおしゃべり」と表現されることがあります。この違いを理解することは、飼育を検討する上で重要です。

ボタンインコ 雛の育て方はどうする？

ボタンインコの雛を育てることは、性格形成や健康に直結する大切な時期です。雛は生後数週間の間は自分で体温調整ができないため、25〜30℃の温度管理が必要になります。保温器やヒーターを用いて、常に一定の環境を整えることが欠かせません。さらに、この時期は「さし餌」と呼ばれる人工的な授乳が必要で、専用のパウダーフードをお湯で溶き、シリンジやスプーンを使って与えます。

この過程で、雛は人の手から餌をもらう経験を通じて「安心感」を学びます。ここで十分な愛情と世話を受けた雛は、人に懐きやすく、成長後も「性格が悪い」と誤解されにくい行動を示します。逆に、十分な世話が行き届かないと、噛み癖や強い警戒心が残り、攻撃的と見られてしまう可能性が高まります。

専門家の見解でも「雛の時期の経験は、その後の性格を大きく左右する」とされています。

ボタンインコ 生息地はどこなのか？

ボタンインコの原産地はアフリカ南部で、タンザニア、ザンビア、アンゴラ、モザンビークなどの国々に分布しています。主にサバンナや森林の周辺に生息し、乾燥した環境にも適応できるのが特徴です。野生では数十羽の群れをつくり、常に仲間と一緒に行動する社会性の高さが観察されています。

このような生息環境が、ボタンインコの性格を形づくってきました。広大な土地で食べ物や縄張りを守るために、警戒心が強く、時に攻撃的に見える行動を取ることが必要だったのです。飼育下で「性格が悪い」とされるのも、この野生での本能がそのまま表れているからにほかなりません。

また、生息地での生活リズムは日の出とともに活動を始め、夕暮れに静まるという自然なサイクルです。この習性が家庭でも現れ、特に朝夕の鳴き声が目立ちやすくなります。専門家は「生息地の環境を理解することは、飼育下での行動を正しく読み解く手がかりになる」と強調しています。

ボタンインコ 食べ物は何を食べる？

ボタンインコの食事は、主にアワやキビ、ヒエといった小さな穀物が基本です。野生では種子類に加えて果実や草の芽を食べることもあり、バランスよく栄養を摂取しています。飼育下ではペレットと呼ばれる総合栄養食を主食にし、野菜や果物を副食として与えるのが推奨されています。特に小松菜や人参、リンゴなどは栄養価が高く、健康維持に役立ちます。

食べ物は性格の見え方にも影響を与えます。栄養が不足するとストレスがたまり、噛み癖や鳴き声の大きさといった行動に現れることがあります。逆に、バランスの良い食事を与えると落ち着きが出て、飼い主との関係も安定します。つまり、「性格が悪い」と感じる行動の一部は、食事によって改善できる可能性があるのです。

さらに、枝や木の実をかじることは、自然界で行っていた採食行動に近く、ストレス解消や健康なクチバシ維持にもつながります。2025年の飼育ガイドラインでも「食べ物と環境の工夫が性格の安定につながる」とされています。